Tuesday, September 15, 2009

第21回勉強会 アメリカでのアカデミックポジションのジョブハンティング

アカデミックポジションのジョブハンティングの報告です。 今回のセミナーは(発表者の主観)x(世話人の解釈)になっています。間違ったところがあってもご了承ください。

1. Job Huntingの情報はどこにあるか。
・Science 圧倒的に情報が多い。アメリカの雑誌だから。
・Nature 日本や国際的なのはこっち。
・New Scientist Jobs
・学会のHP 学会Specificな情報しかのせないので競争が少ない。したがって面接に呼ばれる率が高い。それなので、学会のMLなどに登録しておく。

情報はPDFで保存しないと、締め切り前にウェブサイトから消えてしまうことがある。Science Magazineの購読をすると、冊子から過去にさかのぼって見ることができる。

Tenure-trackを選ぶこと。
Research-trackのAssistant Professorは更新できても昇進できない。結局またTenure-trackを応募しなければいけない。Research-trackはGrantで給料を取らないといけないので大変。

2. Application Package
数を出したほうがいいのではないかという結論になった。
・Cover letter 非常に重要。1ページにまとめる。
Applicationの数が多いので、取る方はこれしか見ない。お金(グラント)を取れる能力があるかどうかの情報も書く。
・CV
・Recommendation Letter
推薦状はみな喜んで書いてくれるらしい。有名な人のほうがいいが、たまにしゃべる程度の知り合いだと意味はない。 共同研究者とかがいい。PhDのときのボスも大事。
・Research Plan
4ページのものを一つ作って、向こうの条件によって変える。専門外の人が見てもわかるよう、わかりやすく書く。図も入れる。専門外の人に見せてチェックしてもらう。

3. 面接について
日本のPhDは総合大学には不利。学生に授業をしなくてはいけないので、電話面接で英語チェックをされる。 45分ぐらい電話でしゃべることになるらしい。

1次面接 3-6人呼ぶ。
2次面接 2人呼んで1人に決める。

1次面接のPresentation
学会のトークとは全く違って、大学生や高校3年生にもわかるようなトークをする。
面接するとき、こちらからの質問を10個ぐらい用意しておく。「これからこのInstituteはどういう方向へ向かう予定なのか」とか。
沈黙はダメ。

2次面接のチョークトーク
チョークトークは20分ぐらい用意しておけばいい。質問攻めで1時間ぐらいになる。パワーポイントの場合と、ホワイトボードの場合がある。

1次面接でチョークトークも同時にあるときは、チョークトークはものすごく大事。

今までのボスとの違いを聞かれる。PIになってから発表する論文にも、ボスの名前が入っていると独立しているとみなされないらしい。

面接の服装はあまりきちんとしすぎてもいけないらしい。
女性はスーツとかブラウスとか。
男性はスーツだと固すぎる(←PhDだから?)。
反対に、服装はきちんとしていたほうがいいという意見もあった。ジョブハンティングをやったことがあるアメリカ人に聞くのが無難?

地方は夫婦PIでレベルの高い人々を取るという戦略をとっている。
夫婦Dual careerでもちゃんと一次、二次面接がある。
Committee chairが外国出身者であるほうが、外国人に理解があって有利。

5. その他
応募中はほとんど実験できない。1月になるとほとんど面接に費やされる。自分のラボからPIを出したということはボスの評価にもつながるし、ボスは1年では決められないということを知っている。
英語力がものすごく上がるらしい。

アメリカは移動することによってキャリアアップするということをお忘れなく。

過去のブログ
第20回勉強会 第1部 CVの書き方講座
ファカルティーポジション 職探し 参考文献
アメリカの大学を狙うジョブハンティング:個人的経験といくつかの助言

Friday, July 24, 2009

ボストンでいい食材を手に入れる その2

第20回プロ研勉強会 第2部「ボストンでいかに美味しい食材を手に入れるか」報告です。昔のブログ「ボストンでいい食材を手に入れる その1」および「先生方を連れて行けるような、おいしいレストラン」もあわせてご覧ください。

日本食料品店
Reliable
Cherry Mart
コンビニサイズ。最近冷凍食品が充実してきたような気がする。
Japan Village Mart
Brookline Villageにある。

お取り寄せ
鎌田醤油
だし醤油、ポン酢醤油とサラダ用醤油を売っている。
蕎麦とそうめんも売っている。

寿司のネタ
New Deal Fish Market
Sea to you Boston

日本人が決めるボストンのベストレストラン

ボストンWikiさんがアンケートを出して集計した、日本人によるレストランランキング


過去のブログ
ボストンでいい食材を手に入れる その1
先生方を連れて行けるような、おいしいレストラン

Thursday, July 23, 2009

第20回勉強会 第1部 CVの書き方講座

まず、CVを快く提供してくださった方々に感謝します。

気づいたことを述べます。
前にも書きましたが、ResumeとCVは全然違いますのでご注意を。
CVはアカデミック用です。Publication重視です。PIとしてのポジションを取られたかたのCVを見ましたが、かなりすっきりしていました。

人のCVを見るとその人の弱点も見えますが、自分の弱点も見えます。逆に自分のCVを見せることによって、弱点を指摘してもらえます。

Resumeは主にインダストリー用です。経験重視です。

参考文献
・人のCV
Tomorrow's Professor Chapter 8 Applying for Positions

参考ウェブサイト
・The Scripps Research Instituteの「Career Resources: Career Workshop Series」下のほうにあるCV/Resume Writing Workshop
英語の履歴書.com
使ったことはないが、全く知らないところからResumeを作るよりはマシなのではないかと思います。興味のある方は使ってみて報告してください。

過去のブログ
CV実践講座 (第5回 & 第6回勉強会)報告
CV実践講座(第5回&第6回) 追加情報

Friday, June 19, 2009

第19回勉強会 第1部 グラント書きセミナー体験談

A. グラント書きに必要な期間
Rewriting & Editingには1本論文を書くのと同じ時間 を要する。
一か月に2本のプロポーザルを仕上げられるように心掛ける。

B.重要事項
1. 1st pageは Summary & Aim
Use words everybody can understand.
2. FOCUS! Not global.そして現実的でなければならない。
3. Need fresh idea.
4. 専門用語が多すぎてはだめ。
5. Approachを明確に記す。
6. 重要性とともに、なぜ今やらなければならないかという緊急性が必要。
7. 論文よりもわかりやすく、Reviewerを教える気持ちで書く。

C.書き始める前に
1.アクセプトされたグラントアプリケーションを見る。
NIH accessible FOIA (Freedom of Information Act)
http://www.nih.gov/icd/od/foia/index.htm
2.どうしてその研究が重要であるかということをよく考える。
3.プロジェクトがそのグラントに重要であること!を確かめる。

D.アプリケーションの概要と注意事項
1. Problem Statement or Significance of the Research
2. Project Purpose
Check the words and phrases the study section uses!
3. Research Design
Time line should be in it.
4. Applicant qualifications and capabilities
5. Budget
Pre award specialist in University can check the budget.
Check this is suitable for the proposal.
注意!!
Appendix (Supplemental materials)はサブミットしない!

E.重要性の示し方
1.Use “First Person” if possible.
2.Scientific American(雑誌)に使われている用語を使うようにする。Onlineでチェックできる。

F.アイデアの練り方
I.Set the Stage (3-4 sentences)
a. Reviewerの興味をひきつける。
たとえば、“米国では○○%もの人が○○という病気におかされている。”など。
b. Stress the Need & Urgency!
c. 最近の技術のまとめ(現在ではこのような技術が応用されている、など)
d. For example などを用いて具体的な例を出して、これをどのように解決してくことができるか、などを記す。
II. State the Theme
III. Create a Vision
自分の仕事がどのようにこれに貢献できるか。

G.その他の注意事項

1.短い能動態を使う。
2.絵を使う。
3.Applicationのインストラクションにしっかりしたがう!
4.Collaboratorsを入れる!

H.自分が応募できるグラントの見つけ方
http://www.cos.com/
http://grants.gov/
http://nsf.gov/funding/
http://www.grants.nih.gov/grants/oer.htm

Tuesday, June 16, 2009

第19回勉強会 第2部 ビジネス書・キャリアアップ書あるいは役に立つ本の紹介&交換大会

ビジネス書・キャリアアップ書あるいは役に立つ本の紹介&交換大会 あるいは普通の本の交換大会の報告です。

皆さんがいろんな本を持ってきてくれました。どうもありがとうございました。

本の情報は、前にブログにアップした「アメリカでアカデミックで生き残っていくために役立つ情報」で更新しました。

Friday, April 17, 2009

第17回勉強会 第2部 運転免許の取得法

運転免許の取得法
1. まず、最初にすべきことは、Lerner’s permitの取得。
マサチューセッツ州では、日本語で受験するためにWatertown RMVに行く日本人が多いが、DowntownにあるChina town RMVにて日本語で受験可能(2008年9月時点)。

詳しい情報は、Dr. Kazuのホームページが参考になる(持ち物など)。
http://www.drkazu.com/ryuugaku-car-3.htm
試験内容も、やはりDr. Kazuのホームページにあるものを覚えていけば問題ない。
http://www.drkazu.com/unntennmenkyonihongokakomon.htm

2.次に必要なことは、Road Testの受験。
おすすめは、Brookline Driving School。これもDr. Kazuのページが参考になる。
http://www.drkazu.com/unntennmenkyotaikendan.htm
電話で予約して、100ドルと、申請書、Lerner’s permitをもっていけば土曜日でも受けられる。車、スポンサーを自分で用意する必要がない。
(注: 試験は右折2回とかではなく、ちゃんと縦列駐車まである)

3.Road Test時にもらった書類をRMVに提出すると免許が送られてくる。

以上がマサチューセッツ州で運転免許を手にする方法である。

第17回勉強会 第1部 グラント書き体験談

今回はAmerican Heart AssociationGrant in Aidを申請して獲得された方のお話を伺いました。

グラントの構成
1. Research part
a. Specific Aim
b. Introduction
c. Preliminary Data
d. Research Design

2.Administrative part
a. 申請者について(所属、経歴など)
b. 申請者の所属機関について(Grant Officerの情報など)
c. 申請者の研究室について(実験機器など)
d. 共同研究者などの情報・推薦状など

Specific aimsの書き方
a. 一般的なまとめ
b. 疑問 Preliminary Data
c. 仮説

気をつけたこと
1.書類不備で落とされたくなかったのでInstructionをじっくりと読んだ
2.わかりやすい英語で書くことを意識した

Q&A
Q1.何ヶ月前から始めたか?
ボスに意思を伝えたのは締め切りの4ヶ月前。
Specific Aimが完成したのは締め切りの1ヶ月前。
その後は休みなしで残りのパートを完成。

Q2.一番大変だった点
完成形を全くイメージできなかった点。何をどうすれば
完成形に近づけられるかの見当がつかなかったので。。

Q3. どのくらいボスに見てもらったか。
Specific Aims  3回
Research Design 1回

Sunday, March 8, 2009

第16回勉強会 第2部 税金申請について

税金申請のほうは、2007年あるいは2008年の税金書類を持ってきてきていただきました。アメリカに数年いる方が、来たばかりの人に説明できました。
皆さん書類を持ってきていただいてありがとうございました。 おかげでいろんな情報交換が出来て助かりました。

第16回勉強会 第1部 アメリカ企業への就職方法

今回はアメリカ企業に就職した方の就職活動体験談を話していただきました。活発な意見交換できて良かったです。

a. まず自分の研究テーマに対して情熱を持って研究し、成果を残す。外国人の就職は、なにかと厳しい目で見られることが多いので、やはり実績を残していることが大切で、それがコネに繋がると思う。

b. 有力なラボで成果を出せれば就職には効果的である。コネはボスのを使えるし、相手に対しても保証が付いてくる。

c. 学会行ってコネクションを作る。

d. CV、カバーレター、リサーチ・サマリーは重要である。同業者の場合、その内容を見たら候補者に対するある程度の判断は面接前にできる。書き方のテクニック的なものは成功例を参考にするのが良い。

e. Industryのインタビューのステップは、AcademicのPIのジョブハンティングのインタービューのステップと似ており、一日がかりである。朝食・昼食・夕食をともにしたり、10人ぐらいの人とOne-to-one interviewをする。

f. ビザで就職活動は複雑になるが、会社の欲しい人材であれば、会社はビザに協力するようである。

参考リンク
・www.scripps.edu
Career Panel: Working in Academia vs. Working in Industry

How to write a cover letter
University of North Carolina
Resume and Cover letters
Cover letter samples

Sunday, February 15, 2009

ファカルティーポジション 職探し 参考文献

12月にJaRANと共同で行われた「アカデミックキャリアセミナー」 
「ファカルティーポジション、職探し体験談」の篠原さんから教えていただいた、参考文献です。

1.Tomorrow's Professor - Preparing for Academic Careers in Science and Engineering
by Richard M. Reis

2.PhD is not enough - A Guide to Survival in Science
by Peter J. Feibelman

3.Making the Right Moves - A Practical Guide to Scientifıc Management for Postdocs and New Faculty
by Burroughs Wellcome Fund Howard Hughes Medical Institute
冊子を無料で送ってもらえます。

4.Job Search in Academe – Strategic Rhetorics for Faculty Job Candidates
by Dawn Formo and Cheryl Reed

5.How to Succeed in Academics
Linda L. McCabe and Edward R.B. McCabe

6.その他: CVの書き方(米国版)

過去のブログ
アメリカでアカデミックで生き残っていくために役立つ情報

Tuesday, February 3, 2009

JournalおよびEditorについて

JournalおよびEditorについて、プロ研のメーリングリストで話題になった話を載せます。


1.このJournalはこんな点が気にいってるから、今回もそのJournalに論文を送ろうと思ったJournal。
A. Free DownloadができるJournal。皆が読んでくれるから。
B. Pubmed Centralに勝手にDepositしてくれるJournal。便利。
C. いい雑誌では、投稿した論文がEditorではじかれてしまう場合がある。Editorではじかれる場合は1週間ぐらいで反応が来る。Reviewerまで行って1-2ヶ月かけてreviewされてrejectされるとその分時間がかかってしまうので、ある意味いいシステムかと思います。

2.前に出したときにひどい目にあったので、二度と送らないと思ったJournal。
A. 投稿してから最初のDecisionまでが長いJournal。4ヶ月以上またされたことがあった。
B. AcceptしてからPubmedにでるまでが長いJournal。投稿してからPubmedに出るまで1年以上というのもある。他の雑誌という選択肢があれば、避けると思う。
C. Editorが怠け者だった雑誌にも投稿したことがあるが、もう絶対投稿しないと思う。
D. JournalのEditorのreviewerの人選が合理性を欠いている場合。典型的なのは、あまりに忙しすぎる人だけをreviewerとして選んでいる場合。

質の高いreviewをくれる可能性が高いが時間もかかる人と、reviewの質については不明だが短い時間でreviewしてくれそうな人のバランスをとるべきなのに、明らかにそうなっていない場合が結構ある。

Review遅延のリスクを管理するとか、reviewerを御すとか、そういう重要な役割を果たさないeditorが多い。

3.Editorが論文を見る場合と見ない場合がある。
A. EditorがAbstractとCover Letterしか見てない場合
Editorが投稿されたすべての論文を隅々まで読むことは時間的に不可能である。

Abstractを読んでみて、内容に興味をさほど持たず、アサインするreviewerにあたりが付く場合は、それ以上読まない。複数のreview結果がだいたい同じなら、その結果に従って結局その論文を読むことはない。しかしreview結果がそれぞれ違う結論なら(あるreviewerはaccept with minor revision, 他の人はstrongly rejectと言っているなど)、自分自身で読んでみて最終決定をすることになる。Abstractを読んでみて、内容に興味をを持てば、Introductionと実験結果くらいは少なくとも読む。自分の研究内容とかぶるものは全部読む。

B. Editorが論文を丁寧に読む場合
Editorが多く、Paperを一つ一つ丁寧にEvaluateするJournalもある。EditorがReviewerと同じようにReviewするJournalもある。Editorがちゃんとみてくれるので、Reviewersの理不尽なコメントがあっても通ったりする。

4.EditorのDecisionに文句を言う。
Editorに抗議するのは珍しいことではなく、必要なら冷静かつ合理的かつ友好的にすべきである。決定は覆らないかもしれないが、Editorに名前を憶えてもらう機会にもなる。その後review依頼が来たり、Associate editorにならないかと誘われるかもしれない。

抗議は基本的には絞ってしたほうがいいと思う。あまり抗議をやりすぎるとBlack Listに載せると言っているEditor-in-Chiefもいる。あまりに質の低いreviewをしたreviewerや、引き受けておきながらreviewを提出しなかったreviewerが羅列されてるBlack Listもある。

論文のcorresponding authorについて

Corresponding authorについて、プロ研のメーリングリストで話題になった話を載せます。

論文のCorresponding authorは論文の責任者であり、reprintの依頼、あるいはサンプルの譲渡の依頼への対応をする人であるが、実はそれ以上の意味があるらしい。

Corresponding authorのところへくる依頼
・論文のReviewの依頼
・招待講演の依頼
・仕事の誘い
・仕事の依頼
・JournalのEditorの仕事の依頼
・JournalのEditor-in-Chiefへの依頼

これらの仕事の依頼は、last authorではなく、すべてcorresponding authorへくる。Multidisciplinary な環境では、last authorとcorresponding authorを別々にすることをよくやる。そういう場合はCVにlast authorでなくてもcorresponding authorだということを明記する。

普通はポスドクはcorresponding authorになれない。普通はボスが承知しない。しかし、double corresponding authorにしてもらえる場合もある。その場合は、ボス(last author)とポスドクあるいはインストラクター(first author)の両方をcorresponding authorにする。投稿する時はcorresponding author欄は一人なのでボスの名前で出すが、最終的なpublicationではdouble corresponding authorにする。 いずれにせよ、ボスとの交渉が必要かと思われる。

Wednesday, January 14, 2009

新年会報告

先月予定されていた忘年会が雪のため中止となったので、年も明けた1月3日(土)に新年会を催しました。
場所はBrooklineにある日本食居酒屋「横浜」です。
合計12人が集まり、美味しい日本食を食べながらの歓談となりました。
参加者のひとりが親戚のお宅で作っている日本酒を持ってきてくださり、、アメリカでは貴重なおいしい日本酒も口にすることができました。

予定通り1分間自己紹介も行いました。
ほとんどの人が1分を超えていましたが、質問やコメントもたくさん出されて盛り上がりました。やはり話の最初の方で聞き手の興味をそそるような話し方や構成を前もって考えておいた方がうまくいくという印象でした。